社労士試験の合格率が低い理由【10選】と対策【15選】4-1-1-02
社労士の合格率は6%前後と低い
社会保険労務士(社労士)は独立開業ができる人気資格です。しかし社労士の合格率は低く6%前後です。
この記事では
- 社労士試験の歴代合格率の推移
- 社労士の合格率が低い理由
- 「意外と社労士は簡単」と思えるアドバイス
を一発合格した私の体験をもとに解説します。
社労士の合格率の低さに少しビビっている「あなた」でも
難しそうだけど挑戦してみっか!
と安心していただければ幸いです。
当ブログの運営者・執筆者
第55回(令和5年度)社会保険労務士試験に当時47歳で一発合格しました。(ただしR4にもノー勉で挑んでいますので厳密には一発合格ではありません。私の資格受験歴について詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
開業登録している現役の社会保険労務士です。
社労士試験の歴代合格率の推移は?
事実として社労士試験は合格率が低い難関試験です。
多くの受験生がその合格率の低さを乗り越えられず不合格になり挫折してしまう…それが社労士試験の実態なのです。
参考までに厚生労働省のホームページの情報をもとに社労士の直近10年分の歴代合格率推移を図表にしてみました。
(上記PDFは厚生労働省HP<第55回社会保険労務士試験の結果概要>参考資料4より引用)
年度 | 平均 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 |
合格率 | 6.2 | 9.3 | 2.6 | 4.4 | 6.8 | 6.3 | 6.6 | 6.4 | 7.9 | 5.3 | 6.4 |
ここ10年の平均合格率は6.2%と国家資格でも難関といえる試験の部類に入ります。
社労士試験は合格率が低いけど、なんでだろ?
次の項では社労士試験の合格率の低さの理由10選とアドバイス15選をお伝えします。
社労士試験の合格率が低い理由10選とアドバイス15選
社労士試験の合格率が低い主な理由は10個あります。
- 出題範囲が広く科目数が多い
- 科目ごとに基準点がある
- 需要が多く受験生の母数が多い
- 準備不足の受験生が多い
- 勉強時間を確保することが難しい
- 勉強を継続すること自体が難しい
- ギリ合格ラインを超えるのは比較的簡単だが、猛者になるのが難しい
- そもそも合格率が低い
- 科目合格がない
- 法改正が多い
- 試験時間が足りない
- 最後は運が必要
以下で詳しく説明します。
出題範囲が広く科目数が多い
労働関係科目と社会保険関係科目の計10科目にわたる広範な知識が必要
社労士試験の範囲は労働法、社会保険法の全般です。
言葉でいうとひとことですが、
これホンマに1年で覚えられまっか?
って埼玉人なのに下手な関西弁を使ってしまうくらい範囲が広いです。
特に「労務管理その他の労働に関する一般常識」の範囲が膨大
社労士試験の範囲は広いんですが、特に「労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)」の範囲が膨大です。
そのうえ社労士試験の一般常識は世間の一般常識にあらず、と言われるほど我々庶民には馴染みのない知識が問われます。
そのうえ似ている内容が多く知識がゴチャゴチャになってすぐに忘れてしまう
試験範囲が広いので1科目を覚えても2科目めの終わりころには
「もう前の科目をすっかり忘れている…」
なんてことはざらにあります。
そしてそれに負けず劣らず社労士試験を難しくしてるところは、違う科目で似たような条文が出てきて科目同士で知識がごちゃごちゃになってしまうところです。
たとえば一般的な「給料」のことを
- 労働基準法では「賃金」
- 健康保険法では「報酬」
と呼び方が変わります。
勉強を進めていくうちに
あれ?報酬ってどっちだっけ??
とごちゃごちゃになっていくのです!恐ろしや!
試験範囲が広く内容もごちゃごちゃになり、すぐに忘れてしまうので社労士試験は難しく合格率が低いのです。
社労士試験では「忘れるのが当たり前」と思いながら勉強を進めましょう!
忘れては覚え、忘れては覚え…と繰り返していくなかでごちゃごちゃが無くなります。
- すぐ忘れる→覚えられない→難しい→自分がイヤになる→継続できない→諦める
が典型的な挫折のしかたです。
②科目ごとに基準点がある
選択式と択一式の両方の総得点で基準点を超える必要がある
社労士試験では午前の「選択式」と午後の「択一式」の試験があります。
試験合格の第一関門は午前午後両方ともそれぞれ総得点の合格ボーダー(基準点)を超えることです。
1科目でも基準点を下回ると不合格になる
試験合格の第二関門は1科目ごとに基準点を超えることです。
こちらのツイートをご覧ください。
ツイートの<ルール>で書いてある「対戦したライダーの体力を6割以上(午後は4割)減らす」「ライダーに1体でも負けた時点で失格となる」とは、
- 「選択式の科目ごとに全5問中3点(6割)以上の基準点を超えないといけない」
かつ
- 「択一式の科目ごとに全10問中4点(4割)以上の基準点を超えないといけない」
という意味です。
つまり選択式においても択一式においても、1科目でも基準点を下回ると社労士試験では不合格になります。
特に選択式で基準点割れが起こりやすい
社労士試験では1科目でも基準点割れを起こしたら不合格になりますが、択一式の科目基準点より
- 選択式の
- 科目ごとに
- 全5問中2点以下で
- 不合格
となってしまう選択式での科目基準点割れが起こりやすいです。
基準点割れをしやすい順番
さらに詳しく言うと
- 選択の科目基準点>
- 択一の総合点>
- 択一の科目基準点>
- 選択の総合点
の順で基準点割れをしやすくなります。
つまり下図のBさんのように、択一式で70点満点を取ろうが選択式の1科目で2点以下だったら不合格になるのです!恐ろしや!
社労士試験は総合点と科目ごとに基準点があり、各基準点を全て越えないと合格できないから合格率が低いのです。
選択式の基準割れをなるべく避けるには以下で説明する「本気組」になること、さらに「猛者(もさ)」になることです。
需要が多く受験生の母数が多い
社労士を取る需要が多い
社労士試験は受験資格があるものの
- 1年で受かる可能性がある
- 独立開業が狙える
- 会社で受験するよう言われる
- 他士業に比べて女性にも人気がある
- AI時代でも活躍が見込める
- 公的年金の唯一の専門家
などの理由で需要が多く受験生が多い試験です。
母数が多いほど当然に合格率は低くなる
当然に全体の受験生が多いほど合格率は低くなります。
社労士試験の見た目の合格率は低いですが、以下で説明する「本気組」だけで見た実際の合格率は30%前後と推定されます。
受験生が多いことで合格率が低くなっているだけと気楽に構えましょう。
④「ノー勉組」や「ちょい勉組」といった準備不足の受験生が多い
「本気組」の受験生だけで見た合格率は30%程度
ただし社労士の合格率は見た目ほど低くありません。実質的には30%前後だと推定されます。
受験に際して全く準備や勉強をしていない「ノー勉組」が一定数いるからです。
まず下図を分析してみると「ノー勉組」の数は少なくとも全体の4分の1ほどと推定できます。
引用元[参考3] 第55回(令和5年度)社会保険労務士試験科目得点状況表[77KB]
前提として、択一式は5つの選択肢から1つを選ぶ形式。よって国民年金法の知識がなくとも、確率的に20%は当たるはずなので10問中2点は正答を選べる。
国民年金法の平均点は5.5点と比較的高得点だったにもかかわらず、基準点を下回る3点以下の人数割合が24.9%いる。
対して実際の2点以下の割合が13.8%と20%を6.2%下回っている(全科目中一番の乖離値)ということは、つまり、運に頼らずとも常識的知識や思考力によって3点以上正解できたと解せる。
にもかかわらず、基準点割れする3点以下割合が24.9%ということは、少なくとも全体の25%ほどが「ノー勉組」と推定される。
さらに下記に記載した各予備校講師も加味すると、全受験生の40%ほどはノー勉組じゃないかな、と私は感じています。
また、全科目を1周勉強しないで受験する人も相当数いて、上記の表(厚生年金法の3点以下割合が46.6%ある)や私の体感から想像すると全体の25%程度と思われます。
さらに私の体感では、全科目をやっとのことで1周は勉強できたけど準備不足で時間切れした受験生が15%程度いると思われます。
つまり、ノー勉組40%・ちょい勉組25%・時間切れ組15%というのが私の想定している受験生の属性割合です。
よって、全科目を1周勉強した上にしっかり準備してきた「本気組」は全受験生の20%程度(より少ない可能性もある)と私は感じています。
つまり本気じゃない受験生が80%以上も占めている社労士試験では見た目の合格率は6%前後と低くても、「本気組」だけで見た合格率は30%前後と推定できます。
以上から需要が多く全体の受験生が多いので社労士試験の合格率は低いと言えます。
しかし実際の合格率はもっと高く30%前後(より高い)と推定されます。
実際の全合格者が「20%の本気組」だと仮定すると、本気組だけで算出した合格率は6/20=約30%ということになります。
しっかり準備した「本気組」として試験に臨めば、おおよそ3人に1人は合格できる計算です。
つまり見た目の合格率の低さに惑わされなければ、社労士試験はそれほど難しいとは言えません。
・・・とはいえ「本気組」になるまでが大変ですし、「本気組」のなかで確実に30%に入るにはこれから説明する「猛者(もさ)」になる必要があります。
なぜ準備不足の受験生が多い?→①働きながら勉強する人が多く、充分な学習時間を確保するのが難しい
社労士試験に挑戦しようとする人たちは社会人として働いている人が多いです。
実際に厚生労働省のHPで公表されている第55回試験合格者の職業割合は以下の通りで、会社員などの社会人が多数をしめています。
また社労士試験は1年間で1000時間以上の勉強時間を確保しなくては合格できません。
平日の仕事前後や休日に1000時間(単純計算で1日あたり2時間45分ほど)も社会人が勉強時間を確保するのは極めて困難です。
そのため、家事や通勤の間のちょっとしたスキマ時間でさえ勉強をしなくてはなりません。
スキマ時間をも工夫して勉強し続けなくては合格できないのが社労士試験なのです。
つまり社労士は如何にスキマ時間の有効活用をして効率的に勉強するかがカギです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
社労士試験は暗記試験です。よって例年8月後半の時期が仕事で忙しかったり、まとまった休みを取れなかったりする場合は集中して暗記ができず不利になります。
このような場合は事前に会社に知らせておくなど対処が必要です。
なぜ準備不足の受験生が多い?→②勉強を継続すること自体が難しい
仕事や家事などで疲れ切ったあとやスキマ時間ですらも犠牲にして勉強し続けるには余程の覚悟と精神力を必要とします。
うまくモチベーションを維持できないと途中で諦めてしまうことでしょう。
また途中で仕事の繁忙期が続いたり、家族が病気になったりと予期せぬアクシデントが起こる可能性もあります。
1年を通して仕事や家事をしながら勉強し続けるのは本当に難しいのです。
社労士試験の勉強は基本知識の確認作業を繰り返す必要があるので、はっきり言って飽きるし退屈です。(個人の感想ですが…)
しかし実際には退屈なことを続けること自体が難しく、退屈な勉強を継続しただけの6%前後の人が社労士合格者ということを肝に銘じてください。
社労士合格にテクニックや裏技は必要ありません。
基本的には年間で1000時間以上の勉強を継続するだけで合格できます。
継続するためには退屈な勉強をできるだけ楽しくやれる工夫をしましょう。
⑤ギリ合格ラインを超えるのは比較的簡単だが、猛者になるのが難しい
【有料級】選択式の基準点割れを防ぐ知恵
選択式の科目基準点割れを完全に防ぐことは難しく運しだいです。
しかし択一式で50点以上取れる「猛者(もさ)」になれば選択式の基準点割れを高確率で防げます。
言い換えれば択一の総合点越えをやっとできるようなギリギリ合格ラインにいる人では選択の科目基準点越えが難しいのです。
ギリ合格ラインを超えるのは比較的簡単
実は社労士試験において択一の合格ライン上ギリギリに行くのは比較的簡単です。
- まずは(5月末までに)全科目を1周し、
- (6月~8月まで)過去問とテキストの行ったり来たりを繰り返しながら過去問とその周辺範囲のテキストの基本を丁寧に覚え、
- 過去問の問題とそれに続く答えそのものを覚え、
- 7月~8月で科目横断と応用問題を解くことによって知識同士のごちゃごちゃを無くし、
- 直前で数字を覚え弱点をなくせば
- 試験日においてギリギリ合格ラインを超えることができます。
試験日にギリギリ択一の合格ラインを超えることができれば、運しだいで選択の基準点割れを起こさずに合格できます。
よって予備校などでは上記の手順で一発合格を目指すのが一般的な勉強方法となるでしょう。
しかし当ブログではこのような一般的な勉強方法ではヌルいと考えています。
一般的な勉強方法で運しだいで合格するのではなく、「猛者」となって圧倒的な実力で選択式の基準点割れをねじ伏せる方法をご紹介します。
1年間で猛者になるには早い段階で合格ライン上にいる必要がある
択一式で50点超えができる猛者になるのは簡単ではありません。
つまり比較的簡単な合格ボーダーに乗ってから猛者になるのがとても大変です。
猛者になるには本試験当日においてテキストの知識が質・量ともにより必要であり、そのためには合格ライン上にいることをより早い段階で到達していないとならないからです。
1年間で猛者になるには
- まずはできるだけ早い段階(11月末まで)で全科目を1周し、
- (2月末までに)過去問とテキストの行ったり来たりを繰り返しながら過去問とその周辺範囲のテキストの基本を丁寧に覚え、
- (5月末までに)テイストの違う3社以上の問題集を解きつつテキストとの行ったり来たりを繰り返し、問題とそれに続く答えを覚えれば
- 合格ボーダーに乗れます。
- そして6月以降に今まで蓄えた知識を科目横断を行いガチガチに固めつつ、テキストの範囲内での知識の質と量を増やし
- 直前で数字を覚え弱点をなくせば
- 1年間で猛者になれます。
テイストの違う3社以上の問題集を使って様々な角度から知識をアウトプットすることで知識が得点力へと変わります。
さらにテイストの違う3社以上の問題集を解くことで1社の問題集(過去問)を解くより多くの知識が質・量ともに身に付きます。
暗記に加えて理解が必要
社労士試験は暗記試験ですが暗記するにも理解しないと応用が利かなくなります。
理解するためにもテイストの違う3社以上の問題集を解き、そのたびにテキストと行ったり来たりすることが重要です。
猛者になれば選択の基準点割れの可能性が低くなる
5月末までで合格ボーダーに乗ることによって6月以降に余裕ができます。
そして6月以降で知識の質・量を増やし猛者になることによって選択式の基準点割れを高確率で防げるのです。
社労士試験は短期集中型ほど有利
もしかしたら「2年間で猛者になれば良いんじゃない!?」と考える人がいるかも知れませんが間違いです。
後でご説明しますが社労士試験では累積で勉強時間を考えると合格できない試験だからです。
社労士試験は短期集中型で勉強すればするほど有利になります。
前年合格ボーダーに乗れても全然勉強しなければ3カ月後にはすっかり忘れてしまいます。
よって前年の試験でギリギリ合格ラインだった人が猛者になるのも大変なのです。
猛者になる基本的な方向性は5月末までは選択式の対策よりも択一式の対策を優先することです。
そして6月以降で知識をガチガチに固めつつテキスト範囲内の深く広い知識を覚えましょう。6月以降の具体的な方向性は
- テイストの違う3社以上の問題集を解きまくってテキストと行ったり来たりを繰り返す
- テキストと過去問の一語一句を覚える
- (余裕があるなら)選択式のための対策(白書・統計・判例)をする
などを行いましょう。
そうこうしているうちに、いつの間にか猛者になれると同時に選択で基準点割れを防げる可能性が高まります。
⑥そもそも合格率が低い
合格者数が決まっている
社労士試験は絶対評価の試験と思われがちですが、最初から2,500人程度が合格するように決められている相対評価の試験なのです。
択一式の総合基準点は〇点取れたから絶対に合格できるというようなものではありません。
実施される年度によって42~47点と基準点が変わります。
つまりそもそも合格率が低く設定されているのです。
前年の猛者たちが混じっている
猛者になれば高確率で選択の基準点割れを防げますが完全ではありません。
つまり猛者でさえ運が悪ければ不合格になるのが社労士試験なのです。
ということは前年で不運にも不合格になった猛者たちが当年の試験に交じっているのです!
ただでさえ合格率が低く設定されているうえ前年の猛者たちがいるので社労士試験はさらに難しいのです。
あなたは猛者たちに負けないような知力・体力・気力・運のピークを本試験に持っていかねばなりません。
原則的に基準点は年度ごとに当年の平均点と前年の平均点を基に算出され補正されます。
あくまで「原則的に」なので例外もあります。この「原則的に」こそが合格率を低く設定していると思われる根拠です。
意外と補正ルールを知らないで試験を受けようとする受験生が多数います。
スポーツでもルールを知らなければ致命的なのと同様に社労士試験のルールをしっかりと知っておきましょう。
⑦科目合格がない
全科目を一度に合格する必要がある
社労士試験はCFP試験や税理士試験のように科目合格の制度がなく、ある科目だけを勉強して翌年にその科目を免除してもらうようなことは出来ません。
つまり全科目を一度に勉強して合格する必要があります。
苦手科目があると合格が難しくなる
科目合格がないうえに科目ごとの基準点割れがある社労士試験では苦手科目が作れません。
つまり全科目を満遍なく勉強する必要があり苦手科目があると合格が難しくなります。
不合格になったら前年と同程度の勉強が再度必要になる
ご案内の通り社労士試験は少し勉強しないとあっという間に忘れてしまいます。
忘れるのを防ぐためには年間1000時間以上の勉強が必要になります。
社労士試験は課目合格があるCFP試験のように2回もしくはそれ以上に分けてゆっくり合格しようという戦略は取れません。
そして不合格なったら翌年も前年と同程度もしくはそれ以上の勉強をする必要があるので、社労士試験は難しいのです。
500時間勉強して不合格になってしまったら翌年は500時間で済む。というわけにはいかないのが社労士試験の特徴です。
前年の勉強時間が500時間だろうと800時間だろうと、翌年は1000時間以上やっぱり勉強しないと合格できません。
累積で勉強時間を考えてしまうと合格できないのが社労士試験の難しさなのです。
⑧法改正が多い
最新の法改正情報を把握しておく必要がある
社労士試験は範囲が広いうえに、法改正事項が毎年あるのが特徴です。
特に情報が少ない独学では法改正事項に対応するのが難しく、最新(2~3年ほど前から)の法改正情報を把握しておく必要があります。
受験生レベルも出題レベルも年々上がっている
さらに言うと年々受験生のレベルが上がるにつれ出題される問題のレベルも上がっています。
昔と比べてお金の価値が上がるように、知識のインフレが起き受験生と出題レベルが毎年上がっているのです。恐ろしや!
法改正事項はⅩや秒トレや通信講座などのツールを使うことにより簡単にブラッシュアップできるように最近はなっています。
これらのツールは積極的に使いましょう。
ただしSNSは2時間3時間…とあっという間に時間が溶けるのでほどほどに。
⑨試験時間が足りない
社労士試験の択一式においては試験時間が圧倒的に足りません。
問題文自体が長文かつ難解だからです。
中途半端な準備では試験時間が足りなくて時間切れになるので社労士試験の合格率が低いのです。
選択式の時間は足りる
社労士試験の時間割は、午前の選択式80分、休憩1時間を挟んで、択一式210分(3時間30分)です。
これをなんと1日で行います。
時間 | 科目数 | 問題数 | 1問あたり時間 | |
選択式 | 80分 | 8科目 | 40問 | 2分 |
択一式 | 210分 | 7科目 | 70問 | 3分 |
選択式は8科目あり択一式は7科目あるので単純に計算すると、1科目につき
選択式は10分・択一式は30分
時間をかけられます。
選択式は1科目に5問空欄がありますので、1問にかけられる時間は2分です。
2分というと短いようですが、与えられた20の選択肢から正答となるものを当てはめる形式なので実際のところ選択式はノー勉でも時間が余ります。
本気組なら1科目につき5~6分、長くても8分ほどで終わるでしょう。
余った時間で見たことのない規定や国語力が試される問題を解いてマークミスがないか確認し、それでちょうど80分を使い切るイメージです。
ただし択一式は違います。
択一式の時間が足りない!!
択一式は1科目につき10問あるので、全部で70問あるのです!
よって1問にかけられる時間はたったの3分です。
しかも上の画像のような長文問題も多数あって、これらを読んで即答できないと3分では間に合いません。
1問3分で解ける状態というのは、過去問を繰り返し解き、テキストに書いてある基本をすぐに思い出せる状態のことです。
この状態でないと択一式を時間内に解き終えることは至難の業となります。
択一式を解く時間がそもそも足りないことが社労士試験の合格率が低い理由のひとつです。
時間が足りない択一式と言えども猛者たちは1科目25分以下で終わらせます。
1科目25分で終われば全科目が3時間かからず終わるので全体では30分ほど余ります。この余った30分を見直しやマークミスの確認をする時間に充てます。
つまり猛者たちは試験時間が足りなさを実力でねじ伏せるです!
本試験当日には、このレベルになるのが理想と言えるでしょう。
5時間集中し続けるのが想像以上に難しい
さらに言うと選択式と択一式あわせて5時間近くある試験で集中し続けるのは想像よりも困難です。
普段の勉強中も5時間集中できる人はなかなかいないはずです。
プレッシャーで余計に集中力が続かない
そのうえ本試験ではプレッシャーが本気であればあるほど重くのしかかってきます。
このプレッシャーがあるなかで難問に出くわしたら、さらに時間が足りなくなり焦らされるのです!
焦りがさらに集中を途切らせ、問題を読む目がすべる状態(文字面だけ読んでいる状態)になりケアレスミスを引き起こしてしまうことが珍しくありません。
択一式でも事前の心構えをしっかり持ち、焦らず普段通りに解いていけば時間は足ります。
本試験に臨む前の心構えについて詳しくは↓↓↓の記事をご覧ください。
漢字が多くて難解な文章を読み慣れる必要がある
まずはこちらの画像をご覧ください。実際の本試験の表紙です。
どうでしょう?どんな印象をもちましたか?
私は最初に見たとき、
「表紙から漢字多くて固くね!?」
って思いました(笑)
表紙からわかるように社労士の本試験では漢字が多くて読みにくく、しかも理解しにくい問題がほぼ全問で出題されます。
もちろん勉強中も過去問を解きますので、1年間ずっと漢字と向き合って国語の勉強をしなくてはならないのです。
普段から新聞や書籍で活字に慣れている人なら大丈夫でしょうが、活字アレルギーがある人は難しいと感じる部分でしょう。
漢字が多い文章でも慣れればどうって事はなくなります。
しかし社労士になった後も漢字多めで理解しにくい法律や公文書を読む機会が増えます。
どっちみち国語が苦手な人や活字アレルギーの人は社労士に向いていません。
⑩最後は運が必要
どんな試験でも運が必要だが、科目基準点がある社労士では特に運が必要
これは社労士試験に限らずマークシート式の資格試験全般に言えることですが、最後は運が必要になります。
なぜならマークシート式の試験では正解をより多くマークできた人が合格できるからです。
極論をいえば超強運なら勉強せずに合格してしまうのがマークシート式の試験なのです。
社労士は運ゲーと言われる
では運が悪ければ合格できないか?というとそうでもなく、しっかり勉強して全体の7割ほどの点を取れれば大概の試験は合格できるでしょう。
しかし社労士試験は違います!
社労士試験にはご案内の通り科目ごとの基準点があるからです…‼
一般的なマークシート式の試験とは違い、全体の7割を超える点数を取ったとしても選択式の1点を運悪く落としてしまったらそこで不合格になってしまうのが社労士試験の怖さ。
これが「社労士試験は運ゲー」といわれる理由でもあり社労士試験の合格率が低い理由でもあるのです。
第53回までは選択式での運要素が強かったようですが、第54・55回は選択式の基準点引下げはなくなり運要素は弱くなってきています。
出題傾向が変わり、選択式も実力があれば3点確保できる試験に変わりつつあります。
つまり現在の社労士試験は猛者になれば運ゲー要素がかなり抑えられる試験です。
よって短期合格を目指すなら勉強を始める前からギリギリ合格を目指すのではなく、当初から猛者を目指す計画を立てる必要があります。
本試験当日に運のピークを合わせる
運のピークは本試験当日に合わせる必要があります。
そのためには以下のことに留意しながら勉強を進めるのが良いでしょう。
- 小さな運を集めた先に大きな運が待っている
- 毎日の積み重ねが本試験当日に花開きます。まずは毎日の小さな課題をクリアしましょう。
- 運は自分の気持ちしだい
- 「自分はツイてる!」と思っていると本当に運がついてきます。
- 自己肯定感を勝手に下げない
- 「自分はダメだ」と思っていると運が逃げていきます。自分で自分を勝手に卑下しないように。
「社労士の合格率が低い理由10選とアドバイス15選」まとめ
社労士の合格率は直近10年の平均が6.2%で、社労士の歴代合格率の推移からみても6%前後と低いです。
社労士の合格率が低い理由は以下の通りです。
- 出題範囲が広く科目数が多い
- 労働関係科目と社会保険関係科目の計10科目にわたる広範な知識が必要
- 特に「労務管理その他の労働に関する一般常識」の範囲が膨大
- そのうえ似ている内容が多く知識がゴチャゴチャになってすぐに忘れてしまう
- 科目ごとに基準点がある
- 選択式と択一式の両方の総得点で基準点を超える必要がある
- 1科目でも基準点を下回ると不合格になる
- 特に選択式で基準点割れが起こりやすい
- 選択の科目基準点>択一の総合点(70点満点中44点ほど)>択一の科目基準点>選択の総合点(40点満点中26点ほど)の順で基準点割れが起こりやすい
- 需要が多く受験生の母数が多い
- 社労士の需要が多く目指す人が多い
- 母数が多いほど当然に合格率は低くなる
- 準備不足の受験生が多い
- 勉強時間を確保することが難しい
- 勉強を継続すること自体が難しい
- ギリ合格ラインを超えるのは比較的簡単だが、猛者になるのが難しい
- 1年間で猛者になるには5月末で合格ライン上にいる必要がある
- 暗記に加えて理解が必要
- 猛者になれば選択での基準点割れ可能性が低くなる
- 社労士試験は短期集中型ほど有利
- そもそも合格率が低い
- だいたいの合格者数が決まっている
- 前年の猛者たちが混じっている
- 科目合格がない
- 全科目を一度に合格する必要がある
- 苦手科目があると合格が難しくなる
- 不合格になったら前年と同程度の勉強が再度必要になる
- 法改正が多い
- 最新の法改正情報を把握しておく必要がある
- 受験生レベルも出題レベルも年々上がっている
- 試験時間が足りない
- 選択式の時間は足りる
- 択一式の時間が足りない!!
- 5時間集中し続けるのが想像以上に難しい
- プレッシャーで余計に集中力が続かない
- 漢字が多くて難解な文章を読み慣れる必要がある
- 最後は運が必要
- どんな試験でも運が必要だが、科目基準点がある社労士では特に運が必要
- 社労士は運ゲーと言われる
- 本試験当日に運のピークを合わせる
社労士の合格率が低い理由に対するアドバイスは以下の通りです。
- 出題範囲が広く科目数が多い
- アドバイス①社労士試験では「忘れるのが当たり前」と思いながら勉強を進めましょう!
- 科目ごとに基準点がある
- アドバイス②「猛者(もさ)」になれば選択の基準点割れを防げる可能性がアップします。
- 需要が多く受験生の母数が多い
- アドバイス③受験生が多いことで合格率が低くなっているだけと気楽に構えましょう。
- 準備不足の受験生が多い
- アドバイス④-1 実際の合格率は30%程度であって、見た目の合格率の低さに惑わされなければ、社労士試験はそれほど難しくありません。
- アドバイス④-2 社労士試験は暗記試験です。8月後半に集中して勉強できる環境づくりを今から整備しましょう。勉強時間を確保する方法はスキマ時間の有効活用をすることです。こちらの記事をどうぞ。
- アドバイス④-3 退屈な勉強を継続しただけの6%前後の人が社労士合格者です。社労士合格にテクニックや裏技は必要ありません。
- ギリ合格ラインを超えるのは比較的簡単だが、猛者になるのが難しい
- アドバイス⑤-1
11月末までに全科目を1周し、
2月末までに過去問とテキストの行ったり来たりを繰り返し
5月末までにテイストの違う3社以上の問題集を解きつつテキストとの行ったり来たりを繰り返せば合格ボーダーに乗れます。
6月以降に今まで蓄えた知識をガチガチに固めつつ、テキストの範囲内での知識の質と量を増やし
直前で数字を覚え弱点をなくせば、1年間で猛者になれます。 - アドバイス⑤-2 猛者になる基本的な方向性は5月末までは択一対策を優先することです。
- アドバイス⑤-1
- そもそも合格率が低い
- アドバイス⑥ 社労士試験のルールをしっかりと知っておきましょう。
- 科目合格がない
- アドバイス⑦社労士の勉強時間は1年間で1000時間です。累積で勉強時間を考えてしまうと合格できません。
- 法改正が多い
- アドバイス⑧情報収集にSNSは必要です。ただしSNSはすぐ時間が溶けるのでほどほどに。
- 試験時間が足りない
- アドバイス⑨-1 猛者になれば択一式においても1科目25分以下で終わらせます。試験時間の足りなさを実力でねじ伏せる猛者を目指しましょう。
- アドバイス⑨-2 国語が苦手・活字アレルギーの人は社労士に向いていません。
- 最後は運が必要
- アドバイス⑩-1 近年出題傾向が変わり、選択式も実力があれば3点確保できる試験に変わりつつあります。社労士の運ゲー要素が無くなりつつあるのが事実です。
- アドバイス⑩-2 本試験で運のピークを合わせる方法は以下を意識しながら勉強を進めること
- 小さな運を集めた先に大きな運が待っている
- 運は自分の気持ちしだい
- 自己肯定感を勝手に下げない
社労士の合格率が低いのは事実です。
しかし勉強を継続できれば我々凡人でも合格できる試験です。
社労士の合格率の低さにビビった人がいるかも知れませんが、それほど恐れる必要はありません。
何度も言いますが
- 社労士の合格率=6%前後=全体のうち勉強を本試験まで継続できる人の率
なだけです。
スキマ時間の有効活用をしつつ年間で1000時間以上の勉強時間を確保しましょう。
そして当ブログを活用しつつ合格して一緒に社労士として活躍しましょう!
以上FP社労士ちえぶくろでした!
今回もありがとうございました!!